グループ理念を実現するサステナブル経営
世界情勢が大きく変化する中、気候変動をはじめとする環境問題や、さまざまな社会課題が深刻化しています。これらの課題解決のために、国や社会、個人といったあらゆる立場において従来以上の取り組みが求められており、経済活動を担う私たち企業の責任もますます増していると感じています。当社グループは、20年以上前からグループ理念に掲げる持続的発展(サステナビリティ)を企業経営の中心に置き、環境を重視した経営を進めてきた歴史があります。このグループ理念に基づいた持続的な価値向上と発展の追求は、当社グループにおけるサステナビリティの根幹にほかなりません。
一方で、世の中は急速に変化しているため、私たちも変化していかなければなりません。不変であるグループ理念を実現するための手段は柔軟に変化させていく。そのために、当社グループでは社長を議長とするサステナビリティ戦略会議を頻度高く2023年度は7回開催し、気候変動や生物多様性といった最新のトピックから、内部統制システムの見直しまで、幅広いテーマを議論し、サステナブル経営を着実に進めてまいりました。
Vision 2030を実現するマテリアリティの取り組み
第6次中計においては、マテリアリティのあるべき姿を設定し、そのあるべき姿からバックキャストして長期、中計期間のKPIを定めて、PDCAを回す仕組みを構築しました。また、ESG評価を役員報酬に連動させるなど、サステナブル経営を進化させてきました。
2025年度を最終年度とする第7次連結中期経営計画(以下、第7次中計)においては、経営基盤の変革として、HRX・DX・GXの3つのテーマを掲げています。この3つのXは、2050年をターゲットとしたマテリアリティとも合致しており、マテリアリティに取り組むことは、Vision 2030の「ありたい姿」を実現することにつながります。
3つのXの取り組みについて
第7次中計でテーマとして掲げた3つのXは、経営基盤を変革する取り組みとしてそれぞれ目標を掲げて取り組んでいます。
まず、GXについては、気候変動を、化石燃料を取り扱う企業として最も重要なマテリアリティと認識し、2021年5月に当社グループの事業から排出する温室効果ガスを2050年までにネットゼロにする「カーボンネットゼロ宣言」を発表しました。第7次中計の発表に際しては、カーボンネットゼロの対象をサプライチェーンまで拡大し、スコープ3も含むカーボンネットゼロをめざすと宣言しました。第7次中計では、GX戦略の一つとして、当社事業が社会全体に対して脱炭素に貢献する度合いも表しています。引き続きカーボンネットゼロに向け、グループ一丸となって挑戦してまいります。
また、サステナブル経営を遂行する上では、人材への投資が欠かせません。私はCHROとして人事も担当しており、HRXの取り組みとして、Vision 2030を実現する人材集団を形成すべく、「人が活き、人を活かす人材戦略」を進めています。企業価値を高めるために、「個の力の強化」と「社員エンゲージメントの向上によるパフォーマンスの最大化」に取り組み、またすべての土台となる「健康経営」にも注力してまいります。
DXの分野では、競争力の強化と新たな価値創造に向けた推進基盤整備と、デジタル人材育成に取り組んでいます。コスモのDX推進基盤を担うデータ活用コア人材の創出をKPIに置き、各種施策に取り組んでいます。
ステークホルダーエンゲージメント
2022年、2023年には投資家の皆さまに対しESGラージミーティングを開催するなど、サステナビリティの領域において積極的な対話、および情報開示に取り組んでまいりました。不確実性の高まる昨今において、サステナブル経営は経営のレジリエンスを高めるために重要な取り組みであると考えています。
持続的な企業価値の向上をめざし、ステークホルダーの皆さまの声に耳を傾け、対話や協働を重ね、社会と当社グループの持続的成長に取り組むことで、皆さまの期待に応えてまいります。