コスモエネルギーグループは、安定供給への強い使命感のもと、石油開発を事業の根幹としながら、原油採掘の現場においても環境対策・保全活動に真摯に取り組むことで地球規模での環境コミュニケーションを図り、持続可能な社会の実現をめざしています。
周辺環境に配慮した石油開発
石油開発事業は、探鉱・開発・生産の各段階において、環境に影響を及ぼすリスクをはらんでいます。環境保全活動を重要課題と位置付け、環境への負荷をできる限り低減する取り組みを推進しています。
当社グループ会社であるアブダビ石油では2012年にヘイル油田の利権を取得し、2017年11月から生産をしています。このヘイル油田周辺海域はジュゴンの生息域と有名であり、ユネスコの生物圏保存地域(ユネスコエコパーク)に位置するため、これまで以上に環境に配慮した開発を行っています。
開発前には詳細な環境影響評価を行い政府の承認を受け、開発時は油田掘削時に発生する廃水、残土、生活排水等を地中に圧入するシステムを構築し、ゼロディスチャージオペレーションを実施しています。
また、浚渫、人工島造成工事に伴う土砂、泥水の排出を外洋に流出させないため、シルトカーテンの設置を行いました。併せて、大気、水質、水中生物、鳥類等の環境モニタリングを行い、操業が環境に影響を及ぼしていないことを確認しています。
ゼロフレア操業
コスモエネルギー開発は原油生産に随伴して発生するガスを全量回収して地下の油層に再圧入するゼロフレア操業を2001年に中東地域では初めて実現しました。
これにより、大気汚染防止とCO2排出の削減にも寄与しています。現在は、UAEのアブダビ(ムバラス島、西ムバラス陸上集油基地、海上集油基地、ヘイル油田)とカタール(海上集油基地)の2カ国5拠点でゼロフレアリングを実現しており、この環境保全と原油回収率の向上を両立させる技術は、CO2を地下圧入し貯留・利用するCCS/CCUSと親和性が高い技術となっております。
今までの操業の経験や技術を活かし「2050年カーボンネットゼロ」の実現に向けて脱炭素化技術の開発と適用に取り組んでまいります。
ムバラス島 フレア
ゼロフレア操業前
ゼロフレア操業後