カーボンネットゼロの実現に向けて、コスモエネルギーグループは持続可能な航空燃料(SAF)に注力し、日本初の国産SAFの大規模生産に取り組んでいます。
SAF(持続可能な航空燃料)とは
SAF(Sustainable Aviation Fuel)は、化石資源ではなく、廃食用油や植物などを原料とする航空燃料です。従来の航空燃料と比較して、ライフサイクル全体でCO2排出量を約84%削減でき、環境への負荷を軽減します。
既存のインフラ(航空機、貯蔵・給油設備など)をそのまま利用できるため、導入が比較的容易であるという利点もあります。
このため、SAFの国際的な普及が進んでおり、日本政府は2030年までに温室効果ガス(GHG)の5%削減を目標とし、SAF供給を義務化する方針です。
日本初の国産SAFへの挑戦
国産SAFを年間3万キロリットル生産
SAFの原料には、廃食用油、微細藻類、木くず、サトウキビ、古紙などがありますが、コスモエネルギーグループでは廃食用油の活用に取り組んでいます。コスモ石油堺製油所の製造プラントは2024年12月25日に完工し、2025年1月から試運転を開始しています。年間3万キロリットルの国産SAFを生産予定で、これは日本初のSAF大規模生産となります。
国内初となる国産SAFの大規模生産実証設備が完工するまで(大阪府堺製油所)


< 完工後 >
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< 着工前 >
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コスモエネルギーグループと合同会社SAFFAIRE SKY ENERGY(※1)は、原料調達から製造、販売までのサプライチェーン全体でISCC CORSIA認証とISCC EU認証を日本で初めて取得しました。国際基準に準拠したSAFを2025年4月からエアラインへ供給する予定です 。
※1 コスモ石油株式会社、日揮ホールディングス株式会社、株式会社レボインターナショナルの3社が2022年に設立した合同会社
廃食用油を原料とするSAFのプロセス
コスモエネルギーグループは、SAFサプライチェーンにおいて重要な役割を果たしていきます。

SAFサプライチェーンの流れの全体像です。
大きく分けて収集・製造・輸送と利用の流れがあります。
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コスモエネルギーグループは、家庭や飲食店から廃食用油を収集するために、堺市内のイオンモールやガソリンスタンドに専用の回収拠点を設置しています。
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廃食用油は、まず各地の飲食店や施設から様々な荷姿で提供され、それらが1次中継所に運搬されて1キロリットルのポリ容器に移し替えられ、専用のコンテナに集められます。そしてポリ容器は1次中継所からトラックでコスモ石油敷地内の2次中継所に運ばれます。
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廃食用油は遠心分離機で夾雑物を取り除いた上でタンクに貯め、フィルタリングされた廃食用油を化学的に処理してバイオ燃料に変えます。生成されたバイオ燃料を精製し、国際規格に合った品質にします。精製されたバイオ燃料をSAFとして使用します。堺製油所のプラントでは、1回の調合運転で2,000キロリットルもの混合SAFが製造されます。
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SAFは専用タンクに保管し、堺製油所内の出荷桟橋より直接、海上出荷されます。関西空港には大阪湾内の航行で直結しています。最終的に航空機に給油され、従来のジェット燃料と同様に航空機の運航に利用されます。
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Fry to Fly Projectへの参画

「Fry to Fly Project」は、家庭や飲食店から出る廃食用油を回収し、持続可能な航空燃料(SAF)に変える取り組みです。全国の自治体や企業が参加しており、コスモエネルギーホールディングスのグループ会社であるコスモ石油株式会社も参画しています。
廃食用油の資源化促進に向けた自治体との連携
コスモエネルギーグループは、廃食用油の資源化促進を目的として、自治体との連携を進めています。2024年には大阪府堺市との廃食用油資源化に向けた連携協定を締結しました。

SAFの原料となる廃食用油受け入れ施設
廃食用油収集
<取り組み事例>
- 堺市内2ヶ所を含む大阪府下5ヶ所のイオンモールでの市民回収を開始
イオンモール堺鉄砲町(堺市堺区)
イオンモール堺北花田(堺市北区)
イオン藤井寺ショッピングセンター(藤井寺市)
イオンモールりんくう泉南(泉南市)
イオンモール日根野(泉佐野市) - 堺市内のコスモ石油系列サービスステーションでの市民回収を計画中(2024年度内に開始予定)
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