産業廃棄物の削減
石油の開発現場では、油田から産出した原油を一旦、原油タンクで貯留した後、タンカーに積荷しています。原油が一時的に貯留されるタンクでは、重質油や水、鉄さび等の固形分がタンクの底に堆積してスラッジを形成し、タンク開放工事の際、スラッジをタンク外へ排出して全量を産業廃棄物として処理しています。研究開発部門では、原油スラッジの産業廃棄物を削減する、新規の技術開発に取り組んでいます。
原油スラッジ削減技術
原油スラッジは水や固形分の他に、原油として利用できる有用な油を含んでいます。原油スラッジの油分を回収し、原油として再資源化できる技術(再原油化)を開発することで、産廃処理コストの削減や資源の有効利用を可能とする技術(Sludge Volume Reduction、以下「SVR」 )の開発を、2016年から独立行政法人エネルギー・鉱物資源機構(JOGMEC)とアブダビ石油株式会社と共同で取り組んでいます。
2022年に商業スケールでの実証試験を行い、従来技術より50%以上のスラッジを削減できることを確認しました。更なる技術改良を進めながら、石油開発現場に限らず、国内外のターミナル等への商業展開の可能性を検討しています。